桂川の深く美しい渓谷に架かる猿橋は、珍しい構造から「岩国の錦帯橋」、「木曽の桟」とともに日本三奇橋と呼ばれています。 橋脚を使わず、両岸から張り出した四層のはね木で支えられている珍しい構造の橋です。猿橋の珍しい構造の起源は定かではありませんが、推古天皇の時代(西暦600年頃)、百済からやってきた造園博士の志羅呼(しらこ)が深い渓谷に何度も阻まれてきた橋の建設を引き受けましたが、いろいろな方法を試みてもうまくいかずあきらめかけていたところ、たくさんの猿がつながりあって対岸へと渡っていく姿から発想を得て作られたという伝説が残っています。 周囲の自然と見事に調和した景観は、歌川(安藤)広重の「甲陽猿橋之図」に描かれ、国の名勝にも指定されています。また、周囲一帯には散策コースが整備されており、彩り豊かな桂川渓谷の四季が満喫できます。