晴れの日差しとそよ風が心地よく交わる10月中旬。
和歌山県すさみ町では、紀伊半島南部の固有種の花「キイジョウロウホトトギス」が見頃を迎えています。
キイジョウロウホトトギス。
山中の湿った崖に生育し、垂らされた茎に開く花の様子が優美なドレス姿に見立てられることから「山里の貴婦人」とも称され、開花シーズンには一目見ようと地域に足を運ぶ方々が集まります。

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江戸時代に著された『紀伊続風土記』にて、那智への参道に生息する奇品として記されているなど、古くから人々を魅了しています。
しかし、長らくの園芸用の採集や道路拡張などにより自生地が年々減少しており、すさみ町佐本地区においても保護を目指すとして地元の方々により石垣で栽培されていますが、現在、環境省レッドリストの「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」に指定されています。

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また、その佐本地区においても高齢化が進み、毎年開花期に催されていた「キイジョウロウホトトギス祭り」も6年前より開催されない状態となっています。
そのような中でも、現在も地元の方々は毎年来訪される方の楽しみの声に応えていきたいという想いのもと、キイジョウロウホトトギスを育てられています。
地域で大切に育てられているすさみ町のキイジョウロウホトトギスを、またの開花期に是非ご覧ください。

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