鹿児島県南東部に位置する肝付町岸良地区の伝統行事“ナゴシドン”。

一般的には『夏越祭』『夏越の祓』と呼ばれているものです。
神社や神宮で行うことの多い神事ですが、肝付町の“ナゴシドン”は、エメラルドグリーンの美しい海をバックに、白く輝く砂浜で執り行われます。

まずは『平田神社』で、三体の祭神を神面に宿し、岸良海岸まで移動します。
昔懐かしい造りの家々や青々とした田園風景の中を、笛や太鼓を奏でながら歩いていく姿は、600年以上つづく日本の原風景そのものです。

岸良海岸では、『汐がけ』を行い、海神を神面に宿します。

その後、いよいよ見所の神事『神舞』が披露されます。

平和を祈る『浦安の舞』。
四方に矢を放ち勝利を呼び寄せる『山の神舞』。
薙刀を大きく回し降り悪を打ち払う『薙刀舞』。
舞手たちの息のあった振りが見事な『十二人剣舞』。

神面三体の前でこれらを披露することで地域安泰と五穀豊穣を祈願します。

観客も参加できる『茅の輪くぐり』では、茅で編んだ縄を四方に張り、その下をくぐることで、それまでの穢れを落とし、その後の無病息災を祈ります。

現在、このナゴシドンを後世に残していくための取り組みが行われており、平成28年度からは、町内外から広く“つなぎ手”の募集も行っています。
地元の人間だけで行っていた運営や舞手を、全国各地から広く募ると同時に、岸良をじっくり味わってもらおうという取り組みで、毎年全国各地から“つなぎ手”希望者が集まります。

自然とのコントラストが美しいナゴシドンを観に来るのもよし。

ナゴシドンのつなぎ手の一人となり、岸良の文化を肌で感じるのもよし。

他では経験することのできない、岸良だけの体験は、きっと、皆さんの心に残るものとなるはずです。

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