癒しを感じ、日本の原風景に出会える場所は、紀伊半島の南端にある和歌山県すさみ町です。
ここには、手つかずの自然が溢れています。静かな海辺で波音に耳を澄まし、神秘的な自然美を感じとることができるでしょう。
目次
自然を満喫できるマリンアクティビティ―
旅の途中、おだやかな海を眺めながら自然の中でバーベキューやキャンプをしてみたい・・・そんな思いを叶えてくれる場所があります。
各駅停車でふらりと降り立ったJR周参見駅。海はすぐそこ。
そこには約200mの砂浜が続くすさみ海水浴場があります。その後ろには、海水浴シーズン以外でも、海を眺めながらのんびりと過ごせる芝生の広場で波音に耳を傾ければ、ゆったりとした時間が流れていくことでしょう。
旅の途中で思い立ち、キャンプやバーベキューがしたくなる気分になるかもしれません。手ぶらであってもそんな思い付きの気分を叶えることができます。
「すさみ観光案内所」では、道具もレンタルできるので手軽に体験できます。
波も穏やかな湾内で、カヤックやサップ・SUP(スタンドアップパドルボード)等のマリンアクティビティを体験、海を見ながらバーベキュー体験もできます。もちろん、バーべキューの食材も用意してくれています。猪と豚を掛け合わせたすさみ町のブランド食材「イノブタ肉」と地元の海産物を使ったBBQセットは、市場になかなか出まわらない、地元だからこそ味わえる食材を贅沢に盛り込んだバラエティセットです。(※イノブタ肉が準備できない場合があり)
周参見湾に浮かぶ稲積(いなづみ)島の夕日
海水浴場からは、古くから神様の島としてすさみの人々に信仰されてきた周参見湾に浮かぶ無人島、稲積島を眺めることができます。
稲を積むと書く稲積島は、神武天皇が日向から大和へ東征の際に島に食糧の稲を積み上げたことから島の名前が付いたと伝えられています。亜熱帯性植物が生い茂り、国の天然記念物に指定されています。島内には弁天様が祀られています。
防波堤により陸続きになっていますが島内への立ち入りは禁止されており、上陸には許可が必要です。
稲積島をかすめて太平洋に沈む夕日に心を奪われる人も多いでしょう。
広瀬渓谷(雫の滝、琴の滝)
すさみ町の魅力は自然の奥深さです。時が止まったようないやしの時間を味わえる場所が広瀬渓谷です。歴史と自然を感じられるいやしの滝でマイナスイオンに包まる時間に浸ることができるでしょう。
広瀬渓谷には、大小10余の滝があり、自然に囲まれた場所でマイナスイオンに包まれているような感覚が味わえる癒しの場所です。
透明度の高いきれいな水をたたえた滝へは、遊歩道をトレッキングすると、最奥部の滝まで約30分の道のりです。古人の歴史に思いをはせながら自然の中に身を置いてみましょう。
広瀬渓谷は戦国武将の隠れ里だったという伝説が残る趣深いところ。和歌山県自然環境保全地域に指定され、ここでは動植物が保護されています。
まずは周参見川の本流にかかる「雫の滝」。澄んだ川水が二段に分かれ、約30mの断崖を流れ落ちます。初夏の新緑、秋の紅葉が見事で、夏には涼を求める人々やアユやアマゴといった渓流魚を釣る人々が訪れます。
最上流に行くと「琴の滝」に出会えます。「琴の滝」は深い緑の中にある落差20mの滝つぼに映し出される木々の緑にきっと身も心も癒されるはずです。
「琴の滝」への道は遊歩道になっていて約1キロの道のりです。その途中で小さな滝を見つけることができます。琴の滝からさらに上流には、戦国武将の隠れ里跡もあり、古の人に思いをめぐらせながらの散策は、心にやすらぎと癒しの時間を届けてくれます。
亜熱帯の密林・江須崎島
JR周参見駅から足を延ばして島に渡ってみましょう。江須崎島は、陸続きで行ける太平洋に突き出た周囲約2kmの小さな島です。幾時代もの時を超えて自然をそのままに残しています。島内は亜熱帯植物の密林で、国の天然記念物に指定されています。
島の手前には紀州ゆかりの童謡など10曲を集めた公園「日本童謡の園」があり、童謡を聴きながら、ゆったりと枯木灘を望むことができます。
すさみのケンケンかつお
漁師町であるすさみ町では、新鮮な魚料理に出会うことができます。中でもとっておきの魚は、「すさみのケンケンかつお」です。
船を走らせ疑似餌をおどらせ、魚を誘惑して釣り上げる独自の漁は「ケンケン漁」と呼ばれています。ケンケン漁法によるすさみの「ケンケン船」は、全国漁業者の通用名となり、ケンケンと言えば「すさみのケンケン船」が代表するほどになっています。
「ケンケン漁」は、かつおの回遊に合わせて1月下旬~2月に始まり、3月~4月に最盛期を迎えます。
「すさみのケンケンかつお」は、ぜひ、わさび醤油で刺身で食べてください。海の男のかつおにかける思いが伝わるおいしさです。
まとめ
神秘と自然が織りなす絶景の宝庫であるすさみ町は、まだ見ぬ景色をたくさん見せてくれるでしょう。
豊かな自然の中で歴史と文化を体感できる南紀の魅力を味わいに、足を運んでみてください。