癒しを感じ、日本の原風景に出会える場所は、紀伊半島の南端にある和歌山県由良町です。
太平洋に開けた海と、日光に輝く石灰岩の海岸線。海の青と石灰岩の白で構成された白崎海岸の壮大な風景は、「日本のエーゲ海」とも称されている和歌山県由良町の海。由良の街道からはいくつもの物語が生まれています。かつては、海の道を通じて訪れる船の波止場としての役割を果たしてきた由良町の海岸美を堪能してみましょう。
目次
青と白のコントラストが映える白崎海洋公園
白崎海洋公園は、日本のエーゲ海とも称される白の海岸美で出迎えてくれます。青い海と真っ白な石灰岩のコントラストが美しい絶景スポットです。
長径が600mもある石灰岩の巨岩で、2億5000万年以上前の古代ペルム紀のものと推定されています。歩いて石灰岩の上に行くこともでき、自然が作り出した巨岩を肌で感じることができます。
展望台からは、白崎海岸特徴の白い岩肌の絶景が広がります。
7月下旬から8月上旬にはその青と白の景色に太陽に向かって咲くひまわりの黄色が加わり、訪れる人の目を奪うを生み出しています。
公園内には白い石灰岩に囲まれた海に隣接している絶景のキャンプ場があり、そびえ立つ石灰岩の目の前にキャンプができるのは貴重な経験になることでしょう。夜は満天の星を眺めることができます。
戸津井鍾乳洞で地底探検
近くには、白崎海岸と同じ2億5000万年以上前の石灰岩からできた戸津井鍾乳洞があります。大正から昭和にかけては石灰石採石場として利用されていました。山の上にある戸津井鍾乳洞は長さ100mと小規模な鍾乳洞ですが、間近で、太古のロマンに触れることができるでしょう。
一年を通して気温は約15度に保たれており、夏は涼しく、冬は暖かい洞窟で地底探検気分を堪能してみましょう。
開園は土日祝日のみですのでご注意ください。ただし、町内小中学校の春夏冬の休み期間中は、平日も開洞しています。
立厳岩(たてごいわ)
白崎海洋公園から南に下り、白崎万葉公園に向かう途中に、水面からそそり立つように立っている立厳(たてご)岩が見えてきます。
天然の一枚岩が波に侵食され、中央に穴が空いている自然が生み出した造形美です。その穴から見える「鹿尾菜島(ひじきしま)」はすっぽり穴の中におさまり 綺麗に見えます。
白崎万葉公園
立厳岩が見えるとすぐに白崎万葉公園に到着します。白崎海海岸が一望できる見晴らし抜群の公園です。ここには、『万葉集』の和歌と現代を代表する歌人のひとり、岡野弘彦氏が詠んだ和歌の碑が2つ並んで立っています。千年以上の時を隔てて同じ地に立った2人の歌人。歴史を超えた歌人たちの思いが伝わってくることでしょう。
海から見る白崎海岸・白崎クルーズ
白崎万葉公園の近くには、由良町の港、大引漁港があります。ここで現役の由良の漁師の案内で白崎クルーズも体験してみましょう。
船の上で波に揺られながら見る、浸食された石灰岩の景色は、他ではなかなか味わうことができない貴重な体験になることでしょう。地形と海域を熟知している現役の漁師の案内でめぐる臨場感あるクルージングは、観光船では味わえない白崎クルーズだけの体験です。
まとめ
古生代ペルム紀から長い年月と自然の力で生み出され、ここでしか見ることができない景色を生み出している石灰岩、青い海のコントラストは和歌山の中でも異色の貴重な景色を五感で感じることができるでしょう。海岸沿いのだんだん畑ではみかんが実り、黒潮の恩恵を受けた新鮮な魚も豊富な由良町にぜひ、足を運んでみましょう
参考リンク