稲城市

日本の伝統、文化、歴史を五感で感じ、体感する

癒しを感じ、日本の原風景に出会える場所は、紀伊半島の南端にある和歌山県白浜町です。
太平洋沿いにある白浜町は海、川、山、温泉、そして豊かな自然が生み出した多くの神秘的な景色が残っています。千年以上の時を経ても尽きることのない豊かな温泉資源に恵まれた白浜町で伝統や文化、歴史を感じる旅をしてみませんか。

目次

素足で歩ける砂浜 白良浜

午前中に足を運んでもらいたいのが、白良浜です。本州で最も早い5月に海開きが行なわれる白良浜は、延長約620mに渡る真っ白でサラサラの砂浜の美しい白砂を素足で歩くことができます。青い海と真っ白な砂浜のコントラストに目が奪われるはずです。海は遠浅で、家族連れでも泳ぎやすい浜辺です。浜辺から少し街を散策してみてください。細い坂道が無数にあり、思いがけない景色に出会えるはずです。

万葉の時代からある露天風呂 崎の湯

白良浜からほど近い場所にあるのが、白浜温泉の1350年の歴史を感じられる雄大な太平洋が間近にせまる露天風呂、崎の湯です。歴史ある白浜温泉の中でも崎の湯は、もっとも古い歴史を持ち、斉明、天智、持統(じとう)、文武(もんむ)天皇をはじめ、多くの皇族、貴族がはるばる湯治に訪れたと伝えられています。天然の岩場に湯壺があり、岩に打ち付ける波を感じながら入ることができる野性味あふれる温泉です。

平安時代の舟隠し洞窟体験

崎の湯から少し足を延ばせば千畳敷の南海岸にそそり立つ高さ約50mの断崖が見えてきます。岩肌に波がぶつかる光景は、自然の迫力です。三段壁洞窟には、平安時代に源平合戦で知られる熊野水軍が船を隠したという伝説があり、洞内は200メートルの遊歩道で、青銅で作られた日本一大きい牟婁弁才天様をお祀りしています。地下36メートルに広がる自然と歴史に出会える体験をしてみてください。
出典:https://booton8700.muragon.com/entry/1144.html

自然と歴史が共存する「番所山公園」

午後からは、番所山公園へ向かってみましょう。ここは、島の中央に円月形の海蝕洞がぽっかり開いている円月島(えんげつとう)を臨む風光明媚な自然公園で、国立自然公園に指定されています。公園の中心にあるのが太平洋に突き出した標高32.5メートルの番所山です。白浜の一番先端に位置する標高32.5mの番所山一帯は、素晴らしい景観と豊かな自然が残されています。
江戸時代、紀州藩が「遠見番所(とうみばんしょ)」(外国船を見張るための場所)を設け、武士の田辺与力が36名を交代させ異国船の監視をしたことから「番所山」と呼ばれるようになりました。熱帯および亜熱帯で見られる植物が多数自生しています。

園内には和歌山が生んだ”知の巨人”南方熊楠(みなかたくまぐす)の記念館があります。博物学者・生物学者・民俗学者として知られた熊楠の文献、標本類、遺品を保存、展示されています。展示品の数々を見るだけでその研究のすさまじさを垣間見ることができます。
1867年に生まれた熊楠は、東京帝国大学予備門進学後、渡米し、イギリスまで足をのばし、大英博物館で古今東西の文献を読破しました。帰国後は粘菌の採集と研究を行ない、イギリスの学術雑誌「ネイチャー」に数多くの論文を発表し、民俗学や環境保護運動の世界でも先駆的な役割を果たしています。
また、海岸沿いには京都大学白浜水族館があり、和歌山県にちなんだ魚介類がたくさん展示されています。
歴史と自然が交差する番所山公園で、自然との共生を見出すことでしょう。
白浜温泉は、夕日がきれいな場所が数多くあり、中でも﨑の湯から眺める夕日、そして、円月島に沈む夕日は絶景です。また、1年の内、春分、秋分の日の前後合わせて10日間だけ円月島の円の中に夕日が入ることがあります。自然が作り出す偶然の一瞬に出会える貴重な時間です。
白浜温泉には宿やホテルが数多くあるので、宿泊して温泉に浸ってみてください。

ひっそりと佇む癒しの名湯・椿温泉

白浜駅から電車で1駅行けば古くから湯治場の椿温泉がある椿駅に到着します。白浜温泉とはまったく別世界。数軒の宿があるこじんまりとした温泉地です。海沿いにある椿温泉は、江戸時代から湯治場として熊野古道を訪れた旅人を癒してきました。脚を痛めた白鷺が、湯の湧き出ているところに飛来し、脚を浸したところ、傷が回復し、やがて元気に飛び立って行いったという伝説が残っており、それが椿温泉のはじまりだと伝えられています。美肌の湯としても名高く、単純泉のため香りはほとんどない、なめらかな湯です。江戸時代から続く湯治場を体験しながら、時が止まったかのような静かな癒しの時間を過ごすことができるでしょう。

日本の原風景に出会える「紀州最後の清流」日直川

椿駅からさらに1駅行くと紀伊日置駅です。白浜町の南東部に位置する日置川町の中心には「紀伊半島最後の清流」と呼ばれる日置川が流れ、川沿いには集落が点在しています。手つかずの自然が数多く残っており、海、山、川の自然に恵まれたのどかな場所です。
体験型観光ができる「ほんまもん体験」が盛んで、そこに暮らす地元の素朴で穏やかな人々と触れ合いながらさまざまな体験ができます。「ほんまもん」というのは、南紀の方言で「本物」という意味です。農家や漁家に民泊して、実際の田舎暮らしを体験できます。また、日置川アウトドア体験、有史以前から染色の原料として、豊かな日本の色を支えてきたジャパンブルーである紀州本藍を使用した藍染め体験等、地元で生活する人たちに触れながら多彩な体験ができます。

世界遺産の熊野古道大辺街道 富田坂・仏坂

さらに白浜町には、世界遺産に登録されている熊野古道大辺路「富田(とんだ)坂」「仏(ほとけ)坂」があります。
熊野古道は、紀伊半島南部にあたる熊野の地と大阪や伊勢、高野及び吉野とを結ぶ道です。白浜町の「富田坂」から「仏坂」、すさみ町の「長井坂」に続く大辺路街道のうち、自然と文化的景観が残された参詣道として、峠越えの尾根道や石畳道が世界遺産に登録されました。
「富田坂」は白浜町内の富田地区から「安居辻松峠(あごつじまつとう)」を越えて、日置川流域の白浜町安居に越える峠道です。安居辻松峠から椿駅に下りるルートもウォークコースとして整備されています。
また「仏坂」は、富田坂に続き白浜町安居からすさみ町に越える峠道です。日置川を渡し舟で渡り、急峻な峠越えの道となります。
渡し船は、白浜町安居から「安居の渡し」が出ています。(土日祝のみ)昔ながらの川舟で日置川の清流を渡ることができます。
枯木灘や熊野灘の風景を愛でながら歩いた道をたどることで、古人の息吹を感じ取れることでしょう。日頃、私たちが失いかけているものに向き合うことができるきっかけになるかもしれません。

参考リンク